フィクションじみた世界

この世界はあまりにscience fictionじみている。小学生の頃に随分と驚いた記憶がある。身の回りは100年前には存在しなかったもので溢れていたから。ゲーム機も計算機も、携帯電話も冷蔵庫もテレビも100年前には存在していなかった。現代に至る電磁気文明の勃興が仮に5000年前にあって、1000年前に電子計算機は発明されたんだよと伝えられたなら、もう少し腑に落ちたのだろうか?実際には電気工学の発展はここら150年ぐらいの話だ。人間でいうとたかだか7,8現役世代程度の期間だ。MaxwellやBoltzmannの時代の研究者も系譜をたどれば、現役研究者の師の師の師の師くらいに届きかねない。現代科学の始まりまで遡ったとしてもガリレオの世界は400年から500年ほど前だろうか。500年前、1526年の日本は戦国時代の真っ只中だ。世界には、電磁気学は存在せず、蒸気機関もなく、細菌も原子も知られていかった。人は次の500年の期間で、月を歩き、遺伝子を読み、空を飛び、核分裂を制御し、ブラックホールを撮影し、ついには機械と自然言語で議論するための技術を開発した。これほどフィクションじみた世界をおかしいと思うのはおかしいことだろうか。

強制的介入の断行!

ダメな毎日が続いている。やるべきことが目に見えているのに手がつかない。目標も何も前進しないどころか、思考回路が錆びついていくような気がして、自分が世界から取り残されるのではないか、と怖くなる。こんなループは抜け出さなせればならない。

でも自力で抜き出せるなら、とっくに抜け出してるんだよなぁ。ある種の負のループが発生していて、それに捉われてしまっている。

 

こんなときには必要なことはなんだろう?基本方針は「強制的な介入を断行すること」だと思う。自然、気のままの自分に任せて行動を行うと抜け出せない可能性が高い。それは、行動の報酬系自体が負のループに与しているからだ。システムが自律的に動けば動くほど、システムの現在の内部変数が選ぶ準安定状態へ流れていってしまう。それが、じぶんにとって都合のいい「正のループ」なら放置すれば良いわけだが、「負のループ」なら願い下げだ。脱出を試みないと。

 

システムの状態を一気に変えるには、大きな擾乱を加えるか、従うルールを変更して仕舞えばいい。結果として、次の準安定状態が良いものかはわからないけれど。今日何かのルールを無理やり変える。いつもと違うことをする。いつもと違うものを食べる。いつもと違う道を歩く。

 

足掻かないと、怖いなぁ。前に進みたくないなぁ。助けて!と叫びたい気分。

 

ネタバラシについて

なんで可愛いんだろう、愛しいんだろう。切なくなってしまう。終わりが来るとかそんなことばっかりを考えた。ある日世界がネタバラシして、映画のエンディングみたいに、アニメのCパートみたいに。和やかで朗らかで。そしたら怒るけど許してしまうよ。みんなどうか行かないでほしい。全ての悲しいことは嘘だったと言って欲しい。でも嬉しいことは本当だったんだって。

俺たちは生きてるんだけど、どこか生きている実感はなくて、実のところ流れに身を任せているばかりで、周囲の有様を真似っこしていた。どんな願いでも叶うのならば、俺たちは何を願うのだろう。少しだけ起伏のある日常が終わりなく喜びに満ちてずっと続いたならなぁ。大切な人が一生健やかに笑っていたら。世界の誰とでも好きなように触れ合えたならば。ある日超能力が発現して、全知全能みたいになって、世界観が急に狭くなるんだって。機械はその言葉を話して、腕をただ動かしている。場面は次々に移り変わるけど、心の在処はかろうじて維持されていた。ぱっと雷鳴が轟いて、遠くの空から船が飛んでくる。なんだ、なんでもできたって乗り物は乗りたいものなんだなぁ。行く当てに興味はなかった。地獄か天国か、あのとき自分は嘘をついた。今でもずっと嘘をついている。本当は嘘なんてつけやしないのかもしれない。

「パース」を説明してみる

「パース」は遠景の景色を描写するとき重要になる概念・絵描きの技術だ。例えば、電車の絵を描くときのことを考えよう。車体は直方体のような形をしている。紙に電車の絵を起こすとき、頭の中に定義通りの直方体を思い浮かべて、車体の四隅を完全な平行線で描いたとしよう。多くの場合、違和感の強い絵が出来上がる。この気持ち悪さを解消するための処方箋が「パース」になる。車体の4隅の平行線を「遠方の一点」に向かって収斂していく、平行でない線を使って描けばよい。パースは鉄道写真を見るとわかりやすい。車体が遠方方向で一点に潰れている様子を見てとれる。

 

ここまでは常識や、直感として理解している人が多いと思う。では、なぜ「遠方の一点」に平行線が収束するように描かなければならないのか、きちんと言葉で説明できるだろうか?

私はこれがわからなかった。遠方の景色ほど、視界では小さくなることは経験として理解しているし、その大きさが距離の2乗に反比例することも知っていた。ただ、それがどうしてそうなるのか、正確な説明を試みると、若干の混乱があった。最近ようやく十分に納得できる説明を思いついたのでシェアしようと思う。

 

要点は、「カメラで映し出される映像は三次元のオブジェクトを二次元の球面に射影したものと同一視できる」ということに尽きる。カメラのレンズや人の目に入る光は、光線の入射方向だけで特徴づけられ、そこに奥行きの情報は一切ない。なので、カメラや目に対する荒いモデルとして、集光点を中心とする球面状の投影図があって(天体観測に使われる天球面の概念に近い)、球面を通過する光が球面上の通過点に射影されていると考える。つまり、このモデルでは、どれだけ離れた光源から光が飛んできたかという奥行きの情報を忘れ、どの立体角方向から光が飛んできたのかということだけを認識し、景色を構成する。基本的に光は直進するので(今は簡単のために回折などは考えない)、三次元の空間で視線方向に重複したオブジェクトは全て球面上の同一点に圧縮される。また、球面の中心点から見て距離がr離れた位置で垂直な面積がAのオブジェクトが単位立体角を占める大きさはA/r^2だ。これが視覚上で遠方の物体ほど距離の二乗に反比例してサイズが縮小して見える、または物に近づいたほど細部がよく見える理由だ。また、三次元空間上で平行な2本の直線は無限遠では「天球上の一点」に収斂しなければならない。なぜなら、平行線間の距離は視覚の近傍で有限だが、無限遠方向に向かって外挿していくと、三次元空間上での平行線間の距離は当然変わらないが、射影される球面上で1/rの割合で潰れていく(面積はrの二乗に反比例して、長さはrに反比例してつぶれる)。結局二本の平行線に沿った無限遠方を見やれば対応する二点は球面上の同一点に射影されてしまう。球面上の一点は視覚世界の一点そのものに対応している。だから平行線は必ず一点に向かって収束していかなければならない。

 

つまり、「パース」が再現するのは三次元の厳格な位置関係ではなく、私たちの目で見る景色であり、それは球面に入射光を射影した世界だ。

分身と相関

目の前にドッペルゲンガーが立っていた。私には彼の考えていることがわかるような気がした。何せ、行動がしばらく同じだったのだ。動き出す時間、立ち止まる時間、目線、発話のタイミングから言いかけた言葉まで。直感した。きっと、体の細部まで「模造」されているのだろう。どちらが本物なのかはわからなくなった。事実上見分けがつかない二つのものに順序をつけるのは困難だから。きっと彼の心のうちにも同様の反芻が渦巻いている。ともかく、私は部屋から移動することにした。とたん彼も同時に動き出す。目的は同じだ。私たちの体は物理法則の範疇にある。神経系や意識だって、例外はない。仮に、体の輪郭で覆われる内部の原子組成その初期速度までもが同じであったとしても、二人は同一点に重なって存在していない以上、周囲の環境が異なっている。だから、外界との相互作用を繰り返せば、たちまち私と彼の内部状態は分離しはじめる。二人の間には初期に強い相関がある。それは時間に対して指数的に減衰するだろう。ならば、その時定数は?

私は後ろを振り向いた。彼は私に手を振っている。私は彼が私に向かって手を振る動機を心の底から了解すると同時に、彼の考えていることは一才わからなかった。

サンフランシスコ・サンディエゴ旅行で役に立ったもの

2025年の夏にアメリカ、カリフォルニア州のサンフランシスコとサンディエゴを訪れ、2ヶ月ほど滞在しました。この記事では、私が旅行中に感じた「あってよかったもの」をピックアップして共有します。今後、カリフォルニアへ旅行する方や、私のように海外旅行に不慣れな方の参考になればと思います。

 

交通系ICアプリ

現地の移動では公共交通機関を利用することが多いでしょう。交通系ICアプリをスマホで準備することで、チケットの購入に手間取らずに済みます。日本でICOCAやsuicaを携帯に登録して使えるようになるのと要領は同じです。端末からプリペイドしておくことで電車やバスでのタッチ決済が可能になります。ICOCAのようにどこでも使えるICカードは無いので、利用する交通サービスごとに使い分ける必要があります。

 

clipper

サンフランシスコ、ベイエリア近郊ではclipperというサービスを利用することができます。iphoneの場合、アメリカに到着した後にwalletアプリを開き、+ボタン→交通系ICカード→「clipper」で検索すれば利用可能になります。残高をチャージするためにはapple payなどに登録しているクレジットカードが必要になります。チャージに使えるカードと使えないカードがあるようなので、端末には複数枚のクレジットカードを登録しておくのが良いです。大きすぎる金額はチャージを拒まれることがあるので小さな金額で試してみてください。私の場合、7ドル以上のチャージが拒否されていましたが、6ドル以下のチャージは問題なく実行できました。

clipper

 

pronto

サンディエゴでは、Prontoというサービスの登録が可能です。バスの利用が簡単になります。こちらは専用のアプリをインストールし、クレジットカード情報を登録することで使用できるようになります。

 

 

クレジットカード

ほとんどの決済はクレジットカードに対応していますが、注意するべき事項があります。それは、カード会社の選択です。例えば、JCBでの決済に対応するお店やサービスがアメリカでは非常に少なく、JCBのクレカをせっかく準備してもほとんど利用できない可能性があります。visaやmastercardで発行されたクレカを複数枚準備しておくのが無難です。

 

 

インターネット回線の契約

スマホがあればなんでもできる現代、インターネット回線はある種の生命線ではないでしょうか。海外でネットを利用するためには、ネット回線を提供するなんらかのサービスと契約する必要があります。

選択肢としては、携帯会社の海外ローミング、esim、モバイルwifiの貸し出しなどがありえます。私はesimの登録かモバイルwifiの持ち歩きを推奨します。携帯会社の海外ローミングより割安な気がしたからです。私はairaloというesimサービスと、グローバルwifiのモバイルwifiレンタルを利用したことがありますがいずれも便利です。

 

vpn接続

アメリカ滞在中には、端末からのネットワークの情報が現地の情報と紐付けられて扱われます。例えば、この状態から日本のサイトにアクセスしても、海外の方専用のページに飛ばされてしまったり、日本で運営されているwebサービスにうまくログインできなかったりします。そのような場合にvpnを活用すると良いでしょう。私はアカデミックな目的で筑波大学のvpngateを利用しました。

(例えばノートパソコンを持ち歩いている場合、bash等、コマンドラインからcurl ipinfo.ioと打てば、IPアドレスに紐づいた地理情報などを確認できます。アメリカの回線に繋いでいると地名がアメリカになって表示されますが、日本のサーバーにvpn接続すると地名が対応する場所へ変わるのを確認できます。)

 

Googleマップ

Googleマップのアプリで公共交通機関の移動がスムーズになります。端末に備え付けの地図アプリと比べて圧倒的に高機能です。経路の検索によって、どの電車やバスに乗るのが良いか候補を提示してくれます。バスなどの到着時刻はリアルタイムで更新され、1.2分程度のずれまで反映されます。また、予め特定範囲の地図をダウンロードしておくことでオフライン環境下でも自分の位置を知ることができます。(GPSはインターネット回線を必要としません。)ただし、インターネット回線がないときには経路検索の機能はもちろん使えなくなるので注意してください。レンタカーに携帯を設置して即席のカーナビとして利用することもできるようです。Googleすごい。

 

 

翻訳アプリ、google 翻訳

どうしても意思疎通につまづくことはあります。私がいつも困るのはレストランでの注文です。料理の説明に使われる名詞は、意外と日常で使う言葉が少ないので理解が難しいです。そんなときGoogle翻訳があれば、カメラに映る文字を認識して自動翻訳してくれます。Googleすごい。

 

 

Uberタクシー

Uberタクシーの利用が非常に便利です。公共交通機関に比べて料金は割高になりますが、急いで移動したいときに頼れる交通手段になります。アプリをインストールし、クレジットカードを登録すれば利用可能になります。アメリカでは比較的浸透しているようで、人がある程度いる地域なら、手近な場所に空きタクシーがいる可能性はそこそこ高いです。時間場所の指定も可能です。交通経路は記録されているので、回り道をされてぼったくられるようなことは起こりにくくなっています。空港では専用の乗車位置、降車位置が用意されている場合が多いので、利用する場合は調べておくと良いでしょう。

 

現金

現金の持ち込みを推奨します。クレジットカードや携帯端末から支払いを済ませられることがほとんどですが、やはり現金しか対応していないサービスも存在します。例えば、コインランドリーや自販機などです。少額でも現金を持ち歩くと安心につながります。

 

夏ならば帽子やサングラス

カリフォルニアの夏は非常に日差しが強いので、帽子やサングラス、日傘などがあると良いかと思います。現地で購入しても楽しいかもしれません。

 

 

人に繰り返し質問しても大丈夫

異国での生活は非常に不便ですが、アメリカ人は案外親切です。日本の接客業とは違ってニコニコしている方は少なく、皆んなぶっきらぼうですが、尋ねればちゃんと答えてくれます。うまく聞き取れなければ、繰り返し質問し直しても対応してくれるものです。怖がらないことも重要ですね。

 

最後に

現代人らしく、スマホの機能やネットの話題に偏ってしまいました。実際のところ携帯とネット回線さえあればなんとでもなります。とは言いつつも、電子機器に依存しすぎるとそれはそれで充電切れといった不安がつきまとったりします。当方、e-simの更新を忘れたまま、観光地に繰り出し、ネットに繋げなくなってとても焦ったことがありました。スーパーマーケットの無料Wifiに接続してe-simを更新することでことなきを得ましたが、皆さんもご注意ください。

 

消えるだけ

俺もう思い出せなくなってた。一年も前のことだけど人と付き合って別れたんだ。別れたあとに不満を文章に書き起こしてた。その内容に当時はしっくりきてたようなきがしてた。今読み返すとなんのことかわからなくてさ。もう具体的なエピソードが引き出せない。もうなにも覚えてなかった。なんて幸せな頭だろう。俺は言った。せめて俺と過ごした楽しかったことだけは覚えといてほしい。彼女は忘れないよ、と優しく返したのに。俺が全部忘れてく。俺が全部全部。過去がなくなったら、なにがあるというのだろう。たどった有様が今の自分だと思ってたさ。実際は今の自分の存在に過去は必要なかった。だって過去を失っても今があるのだから。今目の前にあるものが全てなんだ。今あるものはいつか失われてしまう。今見ている景色の全てを残せたらいいのに。そしたら未来の人はおれの記憶を全部見てくれるかな。